復刻版 ジュルナール律 冬花社
1964年12月創刊(深作光貞編・7冊) この短歌小誌の存在は、国文社『村木道彦歌集』にて知っていた。昨年池袋リブロ 詩の専門書店「ぽえむ ぱろうる」にて復刻版(7冊+別冊)を見つける。
「ジュルナール律はこの歪められた歌壇に反発し、闘う者の砦です。またぞろ歌人たちを長幼の序に整列させ歌壇を文学とはまるで無縁な小部落に戻そうとする旧勢力の狙撃台です。」
学内闘争烈しき時代の
若者たちの三十一文字のシュプレヒコールが逆巻く
「武器としての紙礫は機能した」冨士田元彦
40年後の現在 歌 は果たして何に変容するのか?
めをほそめみるものなべてあやうきか
あやうし緋色の一脚の椅子
ましろにはあらぬ縫帯
ひのくれを小指のかたちのままにころがる
村木道彦
かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて
誰をさがしにくる村祭り
おとうとの義肢作らむと伐りてきし
どの桜木も桜のにほひ