もえぎの忘備録

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Gabriel Faure REQUIEM op.48

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としはもゆかぬ 少年の ソプラノ  Pie Jesu

 この祈りの前で 言葉はない

「あらゆる藝術は音楽の状態に憧れる」と謂った

フォーレより 6歳年長の ウォルタア・ペイタア は はたして是を聴いただろうか

 

          Kyrie eleison.

         Christe eleison.

         Kyrie eleison.

 日常の瑣末な雑事に倦み疲れた折ふし

Requiem:鎮魂歌は死者の安息を祈るばかりではなく

今現在を生きるわたくしたちへも安息をもたらしてくれるだろう

 

父母の相継ぐ死に直面した極めて個人的な創作の由来

しかし 死神の沓音は微塵も聞こえない

 むしろ彼岸へと向かう 甘美な浄福 至福への微笑み

      光のカタルシスへと導く

   9 階位天使たちのハルモニアがある

 このレクイエムには 入祭唱 の後に通常置かれるべき

    怒りの日(Dies irae) が除かれ

祝福されますように(Benedictus) の代わりに 

    ああイエズスよ(Pie Jesu) を

 最後に 楽園にて (In Paradisum) が加えられた

   

  入祭唱とキリエ (Introitus et Kyrie)

  奉献唱 (Offertrium)

  聖なるかな (Sanctus)

  ああイエズスよ(Pie Jesu)

  神の子羊よ (Agnus Dei)

  われを許したまえ (Libera Me)

  楽園にて (In Paradisum)

 

多くの指揮者・合唱団によって演奏されているこの名曲は

古い録音のものは、ややアップテンポで荘厳さが強調される傾向を感じる。

名盤とされるコルボのたゆたいはいいが、Pie Jesuでのアラン・クレマンの優等生的に過ぎる美声は鼻につく。

刷り込み とは怖ろしいもの、永年聴き馴染んだルイ・フレモー指揮による

ドゥニ・ティリエ(9・10才ほどの少年だろう)の消え入らんばかりの天使の声が珠玉。

 Pie Jesu を聴き比べる壺に嵌ってしまう…。